シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑤扁桃周囲膿瘍のクリニカルパス
鈴木 正志
1
,
渡辺 哲生
1
,
吉田 和秀
1
1大分大学医学部免疫アレルギー統御講座耳鼻咽喉科
pp.593-598
発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100725
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I.はじめに
近年,チーム医療の推進,医療の標準化,在院期間の短縮とコストの削減,患者満足度向上,質の高い医療などを目標としてクリニカルパス(以下,パスと略す)が積極的に導入されている。当科においても各種疾患の入院治療の際にパスを作成して使用している。ここでは当科における扁桃周囲膿瘍治療のパスを紹介し,その作成の経緯について述べる。
国内では通常,扁桃周囲膿瘍については穿刺あるいは切開排膿に加えて抗菌薬の投与を行うのが標準的な治療となっているが,当科では扁桃周囲膿瘍の急性期に扁桃摘出術(扁摘)を行う即時扁摘を治療の基本方針としている1)。これは,治療期間の短縮,再発がない,両側性や扁桃下極に存在する膿瘍にも対応可能といった理由からである。このため,当科におけるパスはもともと口蓋扁桃摘出術とほぼ同じ構成であったものを変更したものとなっている。
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