Japanese
English
特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている―
3.ルビエールリンパ節転移の治療方針―下咽頭癌を中心に―
2)ルビエールリンパ節(咽頭後リンパ節)郭清の適応
2)Indication of Retropharyngeal Node Dissection for Carcinoma of the Hypopharynx
岸本 誠司
1
Seiji Kishimoto
1
1東京医科歯科大学医学部頭頸部外科学教室
pp.443-449
発行日 2004年6月20日
Published Date 2004/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100619
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
下咽頭癌をはじめとする咽頭癌では,咽頭後リンパ節,とりわけ外側咽頭後リンパ節(ルビエールリンパ節)が一次リンパ節として転移の好発部位であることが古くから指摘されていた1)。頭頸部癌取扱い規約2)によれば,この咽頭後リンパ節群は頭頸部癌の所属リンパ節の中の咽頭周囲リンパ節として分類されている。しかし,このリンパ節群は頸部の主要なリンパ経路である深頸リンパ節群から離れているため,通常は一連の系統的な頸部郭清術の中に組み込まれることはない。そのため,この部位のリンパ節郭清は一般的な手技としてまだ確立されておらず,またその適応も明確となっていない。
しかし近年になり,外科的治療の対象となる下咽頭癌におけるルビエールリンパ節転移について関心が高まり,その病態について各施設から多くの臨床データが集まるようになってきた。
本稿では,本邦を中心とした下咽頭癌のルビエールリンパ節転移に関する報告をまとめて,この領域の郭清の適応について検討する。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.