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特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている―
1.頭頸部癌は増えているか
3)癌予防の原則
3)Principle for Cancer Prevention
西野 輔翼
1
Hoyoku Nishino
1
1京都府立医科大学大学院分子生化学
pp.361-366
発行日 2004年5月20日
Published Date 2004/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100605
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I.はじめに
癌予防のための対策としてはいろいろな方法があり,一般に一次予防(癌が発生しないようにするための予防)と二次予防(癌が発生してもその癌で死ぬことがないようにするための予防。早期発見・早期治療を目標とした癌検診はその1例である)に分類されている。当然,頭頸部癌の予防に関しても,これらの方法を状況に応じて総合的に活用して対応するということが原則である。
一次予防において特に重要な点は,生活習慣の適正化ということに集約される。多くの疫学的研究の結果から,緑黄色野菜および果物を多く摂取することにより頭頸部癌のリスクが低減する可能性のあることは確実であり,生活習慣に定着させることが積極的に推奨される1)。なお,ビタミンCやβ-カロテンの摂取量と頭頸部癌の発生率の間に負の相関があることも報告されているので,これらの成分を豊富に含有している緑黄色野菜や果物を摂取することの意義は大きいといえる1)。一方,喫煙が頭頸部癌のリスクファクターとして確定的であることが示されており,特に飲酒を伴う喫煙習慣の場合には極めて危険性が高くなることが見出されていることは,本特集の別の項目にも記載されているとおりであり,これらの生活習慣を改善することが重要である1)。
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