Japanese
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症候群事典 P
Parinaud syndrome
Parinaud syndrome
山本 昌彦
1
1東邦大学付属佐倉病院耳鼻咽喉科
pp.214
発行日 2006年4月30日
Published Date 2006/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100434
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定義・概念
パリノー症候は,フランスの眼科医であるHenri Parinaud(1844-1905)が垂直共同視麻痺について記載したために用いられるようになった症候である。この症候は,歴史の流れのなかで多くの論議をもたらしてきた症候群である。パリノー以前には,このような垂直共同注視麻痺については動眼神経核による障害とされている(Henoch)。パリノーが報告した後にこの症候の考えが分かれた。パリノー症候は上方注視麻痺とするもの,垂直注視麻痺とするもの,垂直注視麻痺と輻輳麻痺のあるものの3つの考え方が指摘されてきた。
パリノー症候,パリノー症候群,パリノー徴候などいろいろな呼び方はあるが,パリノーが報告で示した症例で重要なことは,側方および上方の共同注視麻痺であり,また輻輳麻痺,拡散麻痺の4つのそれぞれの眼運動麻痺について共同麻痺としての共同注視中枢の存在を考え,麻痺を核上性麻痺としたことである。
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