Japanese
English
特集 甲状腺疾患の診断と治療
3.甲状腺良性腫瘍の手術
3.Surgical therapy in patients with benign thyroid nodules
久保田 彰
1
Akira Kubota
1
1神奈川県立がんセンター頭頸科
pp.293-297
発行日 2006年4月20日
Published Date 2006/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100045
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Ⅰ.はじめに
良性腫瘍が多数を占める甲状腺結節は女性に多く,ヨード不足や加齢,あるいは放射線被曝の既往で発症率は高くなる。4~7%の人に甲状腺結節を触知し,病理解剖では半数に甲状腺結節を認めたとの報告がある1,2)。甲状腺結節を触れるもの,あるいは偶然に甲状腺結節が発見された症例をすべて手術術適応にすると,手術件数は無尽蔵に増えてしまう。甲状腺結節を経過観察することで癌を見のがしてしまうことを心配して,診断を確定するために手術が行われる場合もあるが,癌の確率は5%以下であるとされており2),手術適応規準を的確に設定することは患者の肉体的,精神的負担を軽減するだけでなく,医療経済の面からも重要となる。今回は甲状腺結節の手術適応を決定するための検査,および手術に代わる代替治療について文献的考察を加えた。
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