Japanese
English
特集 甲状腺疾患の診断と治療
2.甲状腺腫瘍の診断
2.Diagnosis of thyroid tumors
橋本 省
1
Shou Hashimoto
1
1国立病院機構仙台医療センター耳鼻咽喉科
pp.287-292
発行日 2006年4月20日
Published Date 2006/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100044
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Ⅰ.はじめに
甲状腺が腫大した状態を甲状腺腫というが,そのなかにはさまざまな病態が含まれる。びまん性甲状腺腫にはバセドウ病,橋本病や単純性甲状腺腫があるが,いずれも非腫瘍性病変である。一方,結節性甲状腺腫には新生物が多く,甲状腺腫瘍といえばこちらを指す。甲状腺腫瘍はほとんどの場合,頸部腫瘤以外に症状を示さず,その初期には自覚症状はほとんどない。したがって,患者が前頸部腫瘤を訴えて受診したときは,腫瘍はある程度の大きさがあることが多く,触診で甲状腺腫瘍との予測がつくことがほとんどである。ここで最も重要なのは,それが良性病変なのか悪性なのかということであるが,悪性の場合,その組織形によって治療方針がかなり異なるため,術前に組織形まで診断することが望ましいのはいうまでもない。本稿では本疾患の診断法につき解説する。
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