Japanese
English
特集 突発性難聴の今
1.突発性難聴の診断
1. Clinical points in diagnosis of sudden sensorineural hearing loss
朝隈 真一郎
1
Shinichiro Asakuma
1
1朝隈耳鼻咽喉科医院
pp.193-197
発行日 2006年3月20日
Published Date 2006/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100030
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
突発性難聴という疾患概念がわが国に紹介されて約50年が経過した。50年という節目を迎えて改めてこの疾患の問題点について考えてみるのは意義あることと思う。突発性難聴の診断については,1973年に旧厚生省研究班の手で「診断の手引き」が定められている(表1)。この後,わが国で発表された突発性難聴に関する調査では,この「診断の手引き」に基づいて診断された症例を対象とした。多くの施設の調査結果を比較検討する場合,その研究対象が同一の基準によって選別された症例であることは必須の条件である。「診断の手引き」が定められたことの意義は大きいといえる。
それでは,この「診断の手引き」に基づいて診断すれば,突発性難聴の診断は容易であるかというと決してそうではない。私は日常の臨床のなかで突発性難聴の正確な診断は大変難しいと思っている。この論文では,開業後に経験した突発性難聴に関係する印象深い症例を紹介し,突発性難聴の診断について,今感じていることを述べたいと思う。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.