連載 眼科薬物療法のポイント—私の処方・41
急性網膜壊死
坂井 潤一
1
1東京医科大学
pp.677-680
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908477
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症例:55歳,男性。2日前よりの左眼霧視および眼痛にて近医を受診した。左眼ぶどう膜炎,続発緑内障と診断され治療を受けていたが軽快しないため,その4日後に本院を紹介された。初診時,視力右0.5(1.5),左0.2(0.8),眼圧右18mmHg,左28mmHg。左眼に豚脂様角膜後面沈着物を伴う虹彩毛様体炎,びまん性硝子体混濁を認めた。また,左眼底には灰白色小滲出斑が周辺部網膜全周に散在しており,その一部は融合して大きな斑状の滲出斑を形成していた。さらに,滲出斑に混在するように網膜出血が認められ,網膜中心動脈の一部は白線化していた(図1)。右眼には異常はなかった。
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