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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(2)1991年10月 広島
学術展示
当科におけるシリコンオイルの使用について
Our experience in the use of silicone oil
二宮 久子
1
,
小林 康彦
1
,
田中 稔
1
,
金井 淳
2
Hisako Ninomiya
1
,
Yasuhiko Kobayashi
1
,
Minoru Tanaka
1
,
Atsushi Kanai
2
1順天堂浦安病院眼科
2順天堂大学眼科
pp.496-497
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908431
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- Abstract 文献概要
緒言 網膜剥離に対する硝子体手術においては,網膜を牽引している増殖性組織とともに有形硝子体をも切除したあとには,裂孔縁で癒着性瘢痕が形成されるまでの間,剥離していた網膜を内側から支えたり,また,出血傾向の強い眼の硝子体手術後に術中形成された血餅の早期溶解を防止したり,術後の低眼圧による出血を防止する目的で,硝子体腔内にタンポナーデ物質を注入する必要がある。硝子体手術の進歩に伴い,近年代用硝子体の研究も盛んで,さまざまな気体や液体が試みられている。長時間にわたってタンポナーデ効果の期待できるシリコンオイルの使用は,重篤な網膜剥離の手術成績を向上させており,その使用頻度も増えてきているが,一方,その長期間の使用による合併症も指摘されてきている1,2)。当科では,硝子体手術を始めた頃から,シリコンオイルは用いてはいけない物質と考え,その使用はひかえており,理想的な代用硝子体の研究を行ってきた。しかしながら,最小限に使用してきた症例も増え,その合併症も経験し,今後の適応について,若干の知見を得たので報告する。
対象 当科において施行した硝子体手術416眼のうち,シリコンオイル注入を行った49眼で,年齢は1歳から78歳の平均48.6歳。術後経過観察期間は1か月から1年11か月の平均9.6か月。使用したシリコンオイルの粘稠度は1,000センチストークである。
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