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眼科と東洋医学
竹田 眞
1
1竹田眼科
pp.446-447
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908356
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午後の時間帯だったためか例年より多い参加が得られた。約1時間の依頼講演を中止したため,12の演題について十分な討議ができたと思う。また座長を2人とし,座長からのコメントや解説が有ったので,東洋医学になじみの無い先生方にも理解しやすかったのではないかと思う。
まず東洋医学的診断法とハリ治療の2題から会がはじまった。東洋医学的診断法の根底には,個々の臓器に身体全体の情報が含まれ表現されるという哲学がある。木を見て森を見ずとよく言われるが,そうではなく詳細に木を見れば森全体の概要をつかめるし,目を詳細に観察すれば身体全体のことがある程度把握できるという考え方である。酒谷先生は舌を診て全身の勢いを知る舌診についてその拡大写真を用いて解説された。医学,医療そして医術はもちろん万人のためのものだが,精通し,感覚を磨くことは個人の領域である。どの専門領域でも医師としての感性の鋭さが必要だし,積極的に努力しなければならない。竹田は虹彩上の色素(母斑)の位置から全身を把握する方法について発表した。何故このような診断法が可能かを掘り下げることにより新しい医学の発展があると思われる。
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