特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
3.手術治療の実際
—私の推薦する術式—房水流出抵抗の部位に応じた術式選択
竹内 篤
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1愛知医科大学医学部眼科学講座
pp.215-216
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907916
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房水流出抵抗部位を考慮して
緑内障手術治療に関しては,正確な病型診断に基づく適切な術式選択が重要である。トラベクレクトミーを選択する場合は,病型にはそれほどこだわらないが,開放隅角緑内障に対し非穿孔性手術や流出路再建術を選択する場合は,どの部位に房水の流出抵抗があるかを考慮したうえで手術方法を選択する必要がある。不適切な術式(例えば,房水の流出抵抗が大きい部位を残したままの術式)を選択すれば,手術効果は期待できない。
理想的な緑内障手術は,併発症がなく安全で,目標眼圧に達する眼圧下降効果が永久に持続し,すべての緑内障病型に有効な手術であると思われるが,残念ながら,これらの条件をすべて満たす手術は存在しない。したがって現状では,種々の長所,短所を併せ持つ複数の術式を手札として持ち,これらの複数の術式から,房水流出抵抗の部位,病期,ライフスタイルを考慮して最も適切な手術を選択するようにしている(表1)。
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