特集 EBM確立に向けての治療ガイド
網膜・硝子体疾患
糖尿病網膜症治療のEBM
上野 暁史
1
,
坂本 泰二
1
,
石橋 達朗
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.216-225
発行日 2001年9月28日
Published Date 2001/9/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907516
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はじめに
糖尿病網膜症(以下,網膜症と略す)は毛細血管瘤のみが認められるものから,血管新生緑内障を併発し,網膜全剥離を起こすものまでさまざまである。網膜症の進行速度や予後は,眼局所の状態(後部硝子体剥離の有無など)や全身状態(年齢,罹患期間,血糖コントロールなど)などにより大きく異なるため,いわゆる経験的評価では正しい診断や治療が困難であることは広く知られていた。そのため,古くから網膜症の分類や,治療結果(光凝固や硝子体手術)を評価する大規模なスタディが行われてきた。これは客観的事実に基づいた大規模な評価システムであり,まさに今日のEBMにあたるものといえる。
本稿ではこれらについて略述して,筆者らのデータを一部紹介する。
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