Japanese
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連載 眼科手術のテクニック
ICGを使用した内境界膜剥離方法
ILM peeling by ICG staining
高橋 雄二
1
,
加来 昌子
1
,
水流 忠彦
2
Yuji Takahashi
1
,
Masako Kaku
1
,
Tadahiko Tsuru
2
1済生会宇都宮病院眼科
2自治医科大学眼科学教室
pp.728-729
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907296
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はじめに
Brooks1)は1995年に特発性黄斑円孔手術にて内境界膜を剥離することによって,円孔の閉鎖率が向上することを報告した。内境界膜剥離による網膜機能に関して長期的な予後は未だ不明であるが,黄斑円孔に対してこの手技を行うことは,円孔の閉鎖率向上という観点から習得すべき手技であると考える。
内境界膜剥離の方法について,これまでにもさまざまな方法の報告2)がなされている。内境界膜は非常に薄くかつ透明であるため,その認知には顕微鏡の解像度や患者の中間透光体の混濁の影響を直接受け,特に最初の取っ掛かりがつかめなかったり,剥離した断端がわからなくなることが多い。そこで確実に内境界膜を認知するには色素で染めることが確実であると考え,以前から済生会宇都宮病院眼科で過熟白内障の際に前嚢を染色しているインドシアニングリーン(以下,ICG)に着目し,内境界膜剥離の際,染色を実施している。
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