特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
緊急処置の実際
角結膜の薬物腐食の緊急処置
庄司 純
1
1日本大学医学部眼科学教室
pp.338-340
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
薬物腐食の診察
1.薬物腐食の原因検索
角結膜における薬物腐食は,薬物の種類や濃度により重症度と予後が異なる。酸性物質は,凝固壊死を生じるため組織浸透性は弱いが,アルカリ性物質は融解壊死を生じるため持続的に組織深部へと浸透して重症化しやすく,虹彩炎,併発白内障,緑内障などの合併症を伴いやすい。救急受診時には,原因となった薬剤を同定することが重要である。表1に,日常よく遭遇する原因薬物と角結膜障害について示した。
原因物質のpHが不明の場合には,涙液のpHを洗眼前にリトマス試験紙またはブロモチモールブルー(B.T.B.)試験紙を用いて測定しておくとよい。涙液pHの正常値は約7.4である。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.