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角・結膜,他
田川 義継
1
1北大
pp.248-249
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210297
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Stock EL et al : Desquamating endotheliopa-thy. An incipient iridocorneal endothelial syn-drome ? Arch Ophthalmol 105: 1378-1381, 1987
臨床所見および組織所見よりICE (iridocor-neal endothelial)症候群の初期例または一つのタイプと考えられた症例の報告.34歳男性で外傷・感染などの既往のない症例の右眼にび慢性角膜上皮浮腫とやや下方の内皮側に異常な斑点を認めた.虹彩には癒着・萎縮・母斑などの異常はなかった.スペキュラー所見は細隙灯で異常のみられた内皮の部位に一致して内皮細胞が多形性を示していた.左眼には異常がなかった.治療に抵抗のため全層角膜移植を行い組織を電顕で観察した.角膜内皮は局所的に壊死となり落屑した内皮細胞が前房中にみられ,残った内皮細胞が障害をうけた内皮細胞の下に伸びていたが,それらはケラチンの産生がなく互いにデスモゾームを形成しておらず,内皮細胞の"上皮化"を示す所見はなかった.デスメ膜は肥厚し角膜内皮変性症の所見と類似していた.以上より本症はICE症候群の初期例または本症の一つのタイプであると著者らは結論している.
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