特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
集学的治療に必要な他科の知識
結核—いま,内科では
網島 優
1
1国立療養所札幌南病院呼吸器科
pp.234-235
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906585
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わが国で第二次世界大戦以降順調に減少してきた結核の罹患率は,近年その減少が鈍化する傾向を続けていたが,1997年にはじめて増加に転じた。高齢化のため結核既感染者の再燃が多く,老人保健施設や病院での施設内感染の報告も散見される。また,すでに克服された疾患であるとの誤った認識により鑑別診断として挙がらず,いわゆるdoctor's delayのため,重症となるまで診断がつかないままできた症例も診療することが多いのが現状である。
近年はAIDS発症者の指標疾患としても診断基準の中に含められ,また厚生大臣より「結核緊急事態宣言」も出されるなど,再興感染症として注目されている。
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