特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント(所見からみた疾患)—私はこうしている
前房虹彩異常
高野 雅彦
1
1横浜市立大学医学部眼科学教室
pp.112-115
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906551
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細隙灯顕微鏡検査により得られる前房虹彩の異常はぶどう膜炎の発見,診断に必須である。前房の詳細な観察は虹彩毛様体炎の存在をとらえるために重要であるが,隅角の観察もぶどう膜炎の診断のためには必要不可欠の検査である。また,角膜裏面の異常所見である角膜後面沈着物についても,詳細にその性状を観察することで,肉芽腫性か非肉芽腫性であるか分類できるなど,前眼部炎症の一つの表現形として診断の補助となることが多い。解剖学的に前房を形成する組織である角膜裏面,虹彩,隅角,ときに水晶体前面には前眼部炎症に伴う異常所見がみられ,それら個々の異常を切り離して考えることはできない。それぞれの所見を正確にとらえ,さらにそれらの異常所見を総合的に判断することにより診断へ導く姿勢が要求される。
ここでは細隙灯顕微鏡を使った前眼部の観察と隅角検査について,その観察法と所見,主にぶどう膜炎の鑑別疾患に必要な異常所見についてふれる。
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