特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント(所見からみた疾患)—私はこうしている
水晶体異常
馬嶋 清如
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院眼科
pp.116-118
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906553
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水晶体は凸レンズ状の透明な無血管組織であり,屈折,調節,紫外線吸収という3つの大きな役割をもっている。こうした視覚の光学系としての機能を十分に果たすためには,水晶体の存在する位置,形,透明性が重要である。毛様小帯による懸架に異常があって位置が偏位したり,凸レンズの形状に異常が生じたり,また水晶体に混濁が出現したりすると,視機能に障害が生じる。
水晶体疾患は,前述のように位置,形,透明性を評価することで診断が可能となるが,虹彩が存在することにより通常の細隙灯顕微鏡検査では瞳孔領の水晶体しか観察することができない。それゆえ,水晶体を詳細に観察し疾患を発見するには,散瞳状態での観察が必要となる。この際,前房の深さに注意しなければならないことは言うまでもない。
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