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特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(3)
特別講演
脳神経系の発生と分化のメカニズム
Molecular mechanism of development and differentiation of the nervous system
御子柴 克彦
1,2
Katsuhiko Mikoshiba
1,2
1東京大学医科学研究所
2理化学研究所脳科学総合研究センター 発生・分化研究グループディレクター
pp.807-813
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906336
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はじめに
脳は身体を構成する臓器の1つであるが,他臓器と異なる点は,身体全体の機能的調和を維持するのに重要な働きをしていることである。さらに,聴覚,視覚,触覚を介して外界の情報を得るための装置を備えるとともに,口腔を利用した発声により,他個体へと情報を伝える機能も獲得した。すなわち,生命体は脳神経系を獲得したことにより個体内の恒常性を維持しながら他個体とのコミュニケーションを行う術を得て集団としての生存を可能にしたといえる。
脳神経系とは,どのようなものであろうか。どのようにして作られてきたのであろうか。これまでに多くの人たちがその解明に携わってきた。
本稿では私たちの研究室で発見した機能分子や現象についての研究成果の一部を紹介する。
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