特集 眼科検査法を検証する
Ⅰ.基本的な眼科検査法の検証
視力表の評価
堀田 一樹
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.11-13
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906051
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平均など統計学的な扱い方
人の視機能には光覚,色覚,形態覚を始め各種の機能があり,それぞれ種々の検査法によって評価されている。視機能のうち最も重要な機能の1つが形態覚であり,従来,主として視力で評価されてきた。視力測定には通常,濃淡のはっきりした(高コントラストの)視標を用い,どの程度の細かさまでを識別できるかという最小分離閾値(空間分解能,解像限界)を求めて評価する方法がとられている。1909年の国際限科学会で,標準視標としてLandolt環が採用されたことから,視力表の視標は基本的にはこれらに基づいて構成されている。
視力は眼科臨床において,比較的簡単に短時間で測定でき,しかも形態覚機能を比較的精度よく反映し得るとの理由で,最も基本的で普及した検査法の1つである。視力表にはLandolt環に加えてアラビア数字や文字(ローマ字,カタカナ,ひらがな)視標が並列されているものが多く使われ,紙製のもの,プラスチック製のもの,投影式のものなどがあり,照明装置とともに視力検査装置として供されているが,基本的にはこの自覚的な最小分離閾値(文字では最小可読閾値)を求めるものである。
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