特集 オキュラーサーフェスToday
Ⅴ トピックス—基礎と臨床
微生物学
アデノウイルス結膜炎の新しい迅速診断法
内尾 英一
1
1横浜市立大学医学部眼科学教室
pp.204-205
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905640
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近年,アデノウイルスは転写機構などの分子生物学的な検討も進み,分子疫学的にも制限酵素切断分析(RFLP)によりさまざまなゲノムタイプやそのサブタイプの存在が示されている。培養細胞を用いたウイルス分離および中和試験による血清型同定は,確定までに2週間ほどの期間を要し,増殖しにくい血清型もある。これに対し,筆者らが開発したPCR-RFLP法は,2〜3日で結果が得られ,主要な結膜炎起炎血清型の鑑別が可能である1)。ただし,この方法は分子生物学的解析の可能な施設での実施に限られ,従来の分離・同定に代わるものではあっても,眼科臨床医が診療の現場で直ちに結果を得られるものではない。本項では,アデノウイルス結膜炎の迅速診断法に関する新しい展開について述べたい。
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