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連載 眼科図譜・350
B型肝炎ウイルス抗原抗体複合物によると考えられた網膜血管炎
Retinal vasculitis associated with hepatitis B virus antigen-antibody complexes
松尾 俊彦
1
,
杉本 佳代子
1
,
松尾 信彦
1
,
熊代 修
2
Toshihiko Matsuo
1
,
Kayoko Sugimoto
1
,
Nobuhiko Matsuo
1
,
Osamu Kumashiro
2
1岡山大学医学部眼科学教室
2熊代眼科医院
pp.226-228
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904740
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緒言
B型肝炎ではその感染急性期あるいは慢性期(B型肝炎抗原保因者)に,ウイルス抗原とそれに対する抗体から形成された抗原抗体複合物(免疫複合体)によってさまざまな血管炎が起こることが知られている1,2)。こうした患者の血清中に出現した免疫複合体には,実際にB型肝炎抗原が存在することが証明されており3),関節炎,多発性血管炎や糸球体腎炎の原因としても注目されている4,5)。
筆者らは,分節状の閉塞性網膜血管炎を呈した症例において,B型肝炎抗原の保因者であり,しかもその血清中の免疫複合体が高度に上昇していることを見いだした。B型肝炎ウイルスの抗原抗体複合物による網膜血管炎と考えられたので,ここに報告する。
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