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特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(3)
学術展示
中心静脈高カロリー輸液装着者の定期的眼底検査
The studies on routine ophthalmological checkup in a patient receiving intravenous hyperalimentation (IVH)
日高 章雄
1
,
二宮 久子
1
,
小林 康彦
1
,
田中 稔
1
Akio Hidaka
1
,
Hisako Ninomiya
1
,
Yasuhiko Kobayashi
1
,
Minoru Tanaka
1
1順天堂大学浦安病院眼科
pp.950-951
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410903830
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- Abstract 文献概要
緒言 近年,医療の進歩に伴い,血液疾患やその他の免疫機能の低下した患者や術前術後の患者の栄養管理に中心静脈高カロリー輸液(intravenous hyper—alimentation:IVH)が多用されるようになっている。この際,留置されるカテーテルの真菌感染に続発して真菌血症を生じ,さらに深在性真菌感染症が発症する。内因性真菌性眼内炎はその代表的なもので,放置すれば失明に至る場合も少なくない疾患である。
本症は臨床的には,特有な網膜の白色滲出斑と雪玉様硝子体混濁から診断は比較的容易である。また細菌性のものに比べ進行速度が遅いため,早期に発見され適切な治療が行われれば,全身状態にもよるが,比較的よい視力を保つことも可能である。現在まで筆者らは62眼の本症を経験し,早期発見の重要性を強調してきた1)。したがって真菌性眼内炎による視力障害を最小限にするために,他科との協力のもとに本症の早期診断,早期治療を行うことは大変重要であると思われる。今回筆者らは,IVH装着患者の真菌性眼内炎の発症について,その頻度および危険因子について検討し早期診断,早期治療について報告する。
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