特集 白内障手術 Controversy '93
術中・術後トラブルの予防と対策
Soft eyeと合併症
星 兵仁
1
1今泉西病院眼科
pp.191-193
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901948
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近年の白内障IOL手術の発展は,顕微鏡の発達とともにsoft eyeやclosed eye surgeryの考え方が導入されたためといえる1)。白内障手術でsoft eye化が十分に計れていないと,虹彩脱出や浅前房,バルジング,後嚢破損,硝子体脱出,さらには,脈絡膜出血ないし駆逐性出血などをきたし,IOL挿入が不可能のみならず,ときには失明に至らしめることとなる。このような事件が生じたとき手術医は「硝子体圧が高かった」,「患者が動いた」などと理由づけをするが,仮に患者に原因があるからといって,術者は手術施行においては絶対的であり患者は無力である。ゆえに,患者側の原因も含め,すべては術者の不注意であり,その責任はすべて医師に帰する2)。したがって,白内障IOL手術においてsoft eye化を計ることは最も重要な技術ともいえよう。
本項では,soft eyeの目的と方法,および合併症が生じた場合の対策について述べる。
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