特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
白内障治療薬
藤原 隆明
1
1杏林大学医学部眼科
pp.99-102
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901357
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薬物治療の現況
白内障は,その成因・発症時期・混濁部位・形態・進行程度などによってさまざまに分類される(表1)。これらのうちで成人になって発症し進行するもの(その大部分はいわゆる老人白内障である)は,最近の白内障手術において行われる眼内レンズ(IOL)挿入手術の成功率が著しく高くなったところから,早期手術となる傾向がでてきている(1992年(平成4年)4月1日から老人白内障に対するIOL挿入手術は保険適応となってさらにこの傾向に拍車がかかった)。その反面,水晶体混濁の出現ないしは進行を確実に阻止し得る薬物が依然として出現しないことから,その薬物療法については未だ見るべき画期的なものがないというのが現況である。
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