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やっとのことでコロナ禍から抜け出し,リアルで参加できる通常の学会が戻ってきました。2023年の第77回日本臨床眼科学会の参加者は12,000人を超えたそうです。皆様情報に飢えていたのではないでしょうか。振り返ってみますと,コロナ流行下のオンラインでの学会は移動がなく,好きな時間に自分のペースで参加できるなどいろいろなメリットがありました。しかし,逆の面からはアクセスしないといろいろな情報は入ってこないという欠点がありました。白内障や屈折矯正の分野を専門にされる先生方はいろいろな情報にアクセスされていたでしょうが,他分野の先生方はこの間あまり最新情報に触れられなかった方も多いのではないかと思います。かねてより積極的には情報を収集していなかったという先生も,きっとランチョンセミナーが盛んな分野ですので,コロナ禍前にはその際にいろいろと情報を得られていたのではないでしょうか? コロナはそんな機会も奪ってしまいました。私も,耳学問やちょっとした立ち話などが結構情報のアップデートには重要であったことを改めて認識させられました。
さて,白内障と屈折矯正分野です。この数年間にどのような変化があったのでしょうか? 現状の問題点などを整理し,アップデートできるように企画してみました。多焦点IOL(老視矯正IOL)も近方視力とコントラスト感度のどちらに重きを置くか,さらに効果を得るためには術後の度数ずれや乱視をいかに抑えるかがポイントですが,これらがわかりやすく解説されていると思います。屈折矯正はやらないという先生方も保険適用のIOLが登場するなどその評価・立ち位置を認識しておくことは重要です。さらには,MIGSの普及につれて,緑内障点眼を使用している人の白内障手術の際には同時手術を考えられる時代となりました。ICLは,かなり安定し良好な成績を得られていると思います。
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