増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド
2 角膜
眼部帯状疱疹・角膜ヘルペス—再発性角膜上皮びらんを含む
篠崎 和美
1
1東京女子医科大学眼科学教室
pp.75-82
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214151
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クリニック・病院から紹介/逆紹介するときのポイント
クリニックから病院へ紹介するとき
《眼部帯状疱疹》
・急性期で全身への抗ウイルス薬が未投与/不十分,または眼合併症や脳神経症状がみられる場合,できる限り当日中に紹介する.当日に紹介できない場合は,抗ウイルス薬内服を処方する.
・皮疹消退期で眼合併症が重症,または1週間で改善の兆しがない場合,治療は変更せずできるだけ翌日までに紹介する.眼圧上昇がある場合は対処する.
《角膜ヘルペス》
・初診時に広範囲の上皮障害や角膜潰瘍を伴う場合,加療せず当日中に紹介する.当日の紹介が困難な場合は紹介先に対応を相談する.当日に紹介も相談も困難な場合,前眼部写真撮影,角膜病巣部の擦過物の塗抹・細菌/真菌培養を行う(付着物や眼脂だけでも提出).散瞳薬で瞳孔管理,消炎を図る.
・初診時に明らかな視力障害や高度の浸潤・混濁を伴う角膜実質の炎症の場合も基本的な対応は同じだが,当日に紹介も相談もできない場合,瞳孔や眼圧管理のみ行い紹介する.
・治療開始後悪化もしくは1週間経ても改善の兆しがない場合,ステロイド薬を開始すべきか増量すべきか迷った場合は,治療を変更せず紹介する.
《再発性角膜上皮びらん》
・2〜3日しても改善がない場合,視力低下が著明な場合,頻回に繰り返す場合はできるだけ早く紹介する.
クリニックから病院へ逆紹介するとき
・いずれも沈静化が明らかになったとき.
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