増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
4 眼窩
眼窩底骨折整復術
恩田 秀寿
1
1昭和大学医学部眼科学講座
pp.65-67
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213740
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手術・治療の概要
・眼球,視神経,外眼筋,脂肪を収めている眼窩は7つの骨(前頭骨,頰骨,上顎骨,篩骨,涙骨,口蓋骨,蝶形骨)から構成されている。そのうち上顎骨と頰骨で構成される眼窩下壁〔眼窩底(orbital floor)〕と篩骨で構成される眼窩内壁に骨折が生じやすい。
・骨折の有無は眼窩CT検査で診断し,眼窩の骨折形態から閉鎖型骨折(図1)と開放型骨折(図2)の2つに大別される1)。閉鎖型とは骨折はあるものの眼窩の形状が保たれているものであり,開放型とは明らかな骨折があり,眼窩の形状が保たれていないものをいう。閉鎖型では筋絞扼型と脂肪絞扼型で分類し,筋絞扼型では“missing rectusサイン”を認める。また術中所見から,骨折が扉(ドア)のような形状で脂肪などが隙間に挟まっていた場合をトラップドア型骨折と呼ぶ。一方,骨折が大きく落とし穴のような状態を呈し,そこに脂肪などが嵌頓していた場合を骨欠損型骨折と呼ぶ。骨折部位が亀裂のみで脂肪などの嵌頓が少ない場合を線状型骨折と呼ぶ2)。
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