増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
2 涙道
涙点プラグ挿入術
北口 善之
1
1大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科学(眼科学教室)
pp.46-48
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213734
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
手術・治療の概要
近年ムチン層に働きかける点眼薬の登場により点眼治療により病状をコントロールできる症例が増えているが,点眼治療を行っても所見の改善が得られない症例はまだまだ存在する。
涙点プラグの挿入を考えるのは,点眼治療では所見や自覚症状が改善しないときである。糸状角膜炎を伴うドライアイ,涙液分泌減少型のSjögren症候群や,移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD),Stevens-Johnson症候群に伴うドライアイなどがよい適応となることが多い。角膜上皮障害がAD分類(area,densityのスコア)でA2D2以上のままで残存していることを目安とするが,角膜上皮障害が軽微な涙液層破壊時間(tear break up time:BUT)短縮型ドライアイや,ドライアイの関連疾患である上輪部結膜炎,結膜弛緩症などにおいても,自覚症状を改善する例を多数経験する。そのため,点眼療法で十分な効果が得られないときには適応としてもよい1)。一方,感染や薬剤性の角膜障害に対しては原疾患の治療をまず行う必要がある。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.