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特集 黄斑円孔の最新レビュー
内境界膜可視化の手法
Dye-assisted internal limiting membrane peeling in macular hole surgery
東 邦洋
1
,
上田 高志
2
Kunihiro Azuma
1
,
Takashi Ueta
2
1江口眼科病院
2東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学
pp.29-36
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212555
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はじめに
黄斑円孔に対する網膜硝子体手術において,網膜内境界膜(internal limiting membrane:ILM)剝離は術後の円孔閉鎖率向上に寄与する1)。ILMはミュラー細胞の基底膜で,平均2.5μmほどのきわめて薄い透明な膜組織であり,無染色の状況では正確で確実なILM剝離は困難である。このため,種々の染色補助剤によってILMを可視化する手法が登場し,効果が検証されている。歴史的には,Kadonosonoら2)がインドシアニングリーン(indocyanine green:ICG)を用いてILMを染色し,ILM剝離における有用性を報告して以降,ILM剝離の標準的手法として確立された。また,Enaidaら3)が2006年に新しい染色補助剤としてブリリアントブルーG(brilliant blue G:BBG)を報告し,近年ではBBGが用いられることも増えてきた。これら以外にもトリパンブルー,ブロモフェノールブルー,トリアムシノロンなどが染色補助剤として報告されている。本稿では,種々の染色補助剤における臨床,基礎実験を含めた現在の知見について解説したい。
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