Book Review
《眼科臨床エキスパート》画像診断から考える病的近視診療
坂本 泰二
1
1鹿大大学院・眼科学
pp.1761
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212513
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近視人口は世界中で増加している。とりわけ日本は,世界的に近視の割合が最も高い民族集団であり,その数は5000万人以上と考えられている。
一般に近視というと,裸眼ではものがはっきりと見えなくても,眼鏡をかければはっきりと見える眼の状態であり,病気ではないと理解されているのではなかろうか。正確に言えば,近視にはいわゆる成長期に発症するものの成人後にはその進行が止まる学童近視と,近視の進行が成人後も継続し眼鏡では矯正できない状況(失明)に至る病的近視に分けられる。数の上では学童近視が多数を占めるが,病的近視の患者数も決して少なくなく,わが国の失明原因の上位を占める重篤かつ頻度の高い疾患である。以前は糖尿病網膜症などが失明原因の上位を占めたが,治療法の確立とともにその地位を他の疾患に譲りつつある。そして,それに代わって失明原因の中心になろうとしているのが病的近視だといえる。
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