増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる
Ⅰ 眼科検査の理論と実技
調節・輻湊検査
向野 和雄
1
,
市邉 義章
1
,
小野里 規子
2
,
原 直人
2,3
1神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科
2国際医療福祉大学病院眼科
3国際医療福祉大学保健医療学部視機能療法学科
pp.79-86
発行日 2017年10月30日
Published Date 2017/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212464
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
理論編
調節・輻湊検査の意義
本検査は視機能で最も大切な近見反応を検査するものである。近見反応は輻湊・調節・縮瞳の三要素から成り立っており,それを惹起する3つの刺激(手掛り)として両眼視差,像のボケ,拡大がある(図1)。それらの運動の潜時をみると,輻湊,調節,縮瞳の順であり,前二者がその主体を占め,両者はクロスリンクしている。この近見反応により両眼立体視,奥行き感,遠近での距離における明視など,QOVが成立する。
近見反応を詳細にみると,その働きは輻湊-開散,調節緊張-調節弛緩,縮瞳-散瞳の両相がいずれも受動的でなく,能動的に正確かつ十分に働くことが必要である。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.