海外留学 不安とFUN・第18回
UCLAでの留学生活・4
鹿嶋 友敬
1,2
1University of California, Los Angeles, Stein Eye Institute
2群馬大学医学部眼科学教室
1University of California, Los Angeles, Stein Eye Institute
pp.856-857
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212291
- 有料閲覧
- 文献概要
ウェットラボ
米国では新鮮な(といっても冷凍の)遺体の入手が可能である。冷凍(後解凍)の遺体はホルマリン固定の遺体と違って,実物に近い感覚での組織の操作が可能である。米国ではシステムとしてある程度のお金を支払えばそれを使える環境にあり,このことは眼形成のトレーニングにかなり大きなアドバンテージとなる。つまり眼窩の手術のような非常に限られた症例しかない分野については,遺体を使用したトレーニングを積むことで,患者に過度な負担を強いることを減らすことができる。
解剖に使える遺体の頭部は,日本円で大体15万円程度で入手できるため,Stein Eye Instituteでは“Orbital Course”や“Aesthetic Course”と称してそれぞれ2年に1度遺体を使った解剖とその手技のコース実習を用意している。留学中にその両方を経験できたのは,運が良かったとしかいいようがない。これらのCourseは有料で,日本円で20万円程度であるが,眼窩手術を行う医師は受講することをお勧めしたい。世界トップレベルの英知に触れられる稀な機会であるからである。また,フェイスリフトや下眼瞼の脂肪ヘルニアの治し方を学ぶことができるので,これから美容手術を習得したいドクターにもお勧めである。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.