Book Review
《眼科臨床エキスパート》角結膜疾患の治療戦略—薬物治療と手術の最前線
福島 敦樹
1
1高知大・眼科学
pp.331
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212187
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治療法を適切に選択するためには,的確な診断が必要である。角結膜疾患の診断に関しては,《眼科臨床エキスパートシリーズ》で,『オキュラーサーフェス疾患—目で見る鑑別疾患』(2013)が既に出版されており,研修医の先生方から角膜を専門とする先生方まで,幅広く頻繁に利用されていることと思う。本書は《眼科臨床エキスパートシリーズ》のまさに角結膜疾患治療版である。本書は角膜移植のメッカである東京歯科大学眼科教授の島﨑潤先生が編集されており,実にプラクティカルに構成されている。
まず,総説を熟読いただくことにより,現時点での角結膜疾患治療の基本的考え方と治療方針を理解できると同時に,本書のコンセプトと流れを把握できる。角結膜に共通の機能は外界に対するバリアとしての働き,角膜に特徴的な機能は透明性の維持と光の屈折であるということを大前提として,治療方針を考えてもらいたいという姿勢が十分に伝わる。読者にフレンドリーなイントロダクションである。
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