Book Review
《眼科臨床エキスパート》角結膜疾患の治療戦略—薬物治療と手術の最前線
白石 敦
1
1愛媛大・眼科学
pp.187
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212158
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眼表面は細隙灯顕微鏡で最初に観察する部位であるため,誰でも眼表面疾患の異常所見は目にしているはずである。典型的な所見・疾患は,自信を持って診断・治療ができるものの,実際には確定診断に至らない症例も多いのではないだろうか? 眼表面疾患は角膜・結膜という二つの組織の異常状態ではあるものの,その原因はさまざまである。眼表面を覆っている涙液の異常,外界にさらされているための外的要因,感染症,免疫異常,変性症,眼瞼異常など眼表面疾患に及ぼす因子は多岐にわたり,それらが単独または複合的に影響して病態を形成している。眼表面疾患診療の醍醐味は,所見からどのような因子が影響しているか推測しながら治療戦略を立てることにある。
このたび発刊された,島﨑潤先生編集の《眼科臨床エキスパート》『角結膜疾患の治療戦略—薬物治療と手術の最前線』は,治療戦略との題名があるが,正しい診断をした上で,治療戦略を立てるといったコンセプトで構成されており,治療戦略を立てるまでのプロセスが詳しく解説されている。
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