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連載 目指せ!眼の形成外科エキスパート・第20回
眼窩腫瘍の診断と治療—理詰めでいけばかなりシンプル!
Diagnosis and treatment of orbital tumour
柿﨑 裕彦
1
Hirohiko Kakizaki
1
1愛知医科大学病院眼形成・眼窩・涙道外科
pp.462-466
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211756
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はじめに
眼科医にとって最もなじみが薄くて嫌な疾患が「眼窩腫瘍」ではないでしょうか? たまたま脳ドックを受けたら眼窩に腫瘍があった,明らかに眼が飛び出てきた,まぶたが腫れてきた,こんなことから気づかれることがほとんどでしょう。
眼科の外来診療を行っていても,眼窩腫瘍をほとんどみることはありません。しかし,まるで交通事故にでもあったかのように,眼窩腫瘍の患者が突然,先生方の前に現れてしまうのです。
その時の先生方の最も重要な仕事は「眼窩腫瘍に気づいてあげること」です。そして,次に重要な仕事は「眼窩腫瘍を扱う専門施設に紹介すること」です。自分の施設で治療できれば申し分ないのですが,眼窩腫瘍の治療は,麻酔科,放射線科,血液内科などと共同で行う集学的治療の側面もあるため,なかなか難しい問題をはらんでいます。
本稿では,眼科医として眼窩腫瘍に気づくためのヒントを中心に解説し,専門施設で行っている治療法についても若干触れることにします。
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