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野球やサッカーが何人でプレイしているかも知らない私ですが,ラグビーだけは別です。娘が高校生だったころ「ラグビーの試合を見に行きたいんだけど」の一言に,当時東海大の医学部にラグビー部を作った私の弟(日本医大眼科 小野眞史)が感激し,親子3人分の慶早戦のラグビーのチケットをくれたのが,この道(?)にはまったきっかけです。ラグビーの対抗戦の慶早戦は,毎年11月23日に秩父宮ラグビー場で行われています。身内に慶応出身者が多いため,もちろん,慶応を応援します。主人は,慶応ラグビー部創部100年で総監督を務めた上田昭夫さんと幼稚舎の同級生で,ラグビー部に所属し,「当時は,上田より俺のほうがうまかった」が口癖。ラグビー好きの娘は,ついに慶応ラグビー部の同級生と結婚。披露宴には慶応ラグビー部関係者が多数参列してくださり,大量の飲酒,網タイツの半裸のダンス,挙げ句の果てには,酔っぱらった同級生がホテルオークラのトイレを破損,といったおまけつき。二次会の会場,日比谷公園の松本楼へは公園の入口から会場まで,つぶれたラグビー部の後輩が点々と横たわっているので,道案内は不要。ラグビーファンの花嫁の母としては,一生の思い出になる,それはそれはすごい披露宴でした。
慶応のラグビージャージは黄色と黒のしましまで,この色にちなんで,タイガージャージと呼ばれています。慶早戦の当日はこの黒黄色の旗をたずさえて,主人は婿さんからもらったレプリカのジャージを着こんで参戦します。秩父宮の屋根のないバックススタンドで秋の昼下がりの日差しを浴びながら,秩父宮で覚えた塾歌(慶応義塾の校歌)とボジョレーヌーボーで内側から寒さを吹き飛ばしながら,気が付くと立ち上がって,トライの声援。この興奮,感激が忘れられず,どれだけ秩父宮に通ったことでしょう。若いころはヨット好きの主人に連れられて,夏休みには真っ黒だったおかげで,今や蛍光灯でもシミが増えるようになったと嘆いていたのですが,この秋の日焼けはどうしようもありません。そのうち,お顔もタイガーになってしまうかも。
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