Japanese
English
創刊20周年記念特集 眼科最近の進歩
綜説
黄斑部疾患
Macular Diseases
鹿野 信一
1
,
荒木 誉達
1
Shinichi Shikano
1
,
Yodatsu Araki
1
1東京大学医学部眼科
1Department of Ophthalmology, Tokyo University
pp.1509-1519
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211152
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I.緒言
十年一昔とはよく云つたもので,全ゆる領域に於けるこの間の目まぐるしい変化は瞠目に値する。殊に日進月歩の医学の中にあり,眼科学もその例外ではない。各分野はそれぞれ益々細分化され,究められつつあり,その全てに通暁することは,まさに至難の業と云う他はあるまい。
臨床面からみても,予防,治療等の進歩により年々減少の一途を辿る疾患もある反面,新しい疾患が登場し,脚光をあびているが,これはやはり診断方法の進歩によるところが大きいと思われる。因みに,昭和30年発行の「眼科最近の進歩」1)と題する成書をひらいてみるに,耳新らしい眼疾患として,鹿野はBehçet病,真菌症,Sjφgrenssyndrome及びKeratoconjunctivitis sicca,Kimmelstiel-Wilson氏病,Retrolental fibro—plasia,Brucellosis,Sarcoidosis,Exophthalmicophthalmoplegia等を挙げ,近い将来,我が国眼科教科書中の大きなSpaceを占めるものであろうことを予言した。周知の如く,これらの疾患の殆んどが,今日最も重要な眼疾患の一つとして臨床上,常に念頭に入れねばならなくなつている。更にBehçet病の如きは,その高度の失明率及び全身症との関係から既に社会問題となつている。
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