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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京
学術展示
広範な周辺部角膜虹彩癒着を伴った症例について
Three cases with annular peripheral anterior synechia
大路 正人
1
,
宇仁 明彦
2
,
木下 茂
3
,
松田 司
3
,
清水 芳樹
4
,
額田 朋経
5
Masahito Ohji
1
,
Akihiko Uni
2
,
Shigeru Kinoshita
3
,
Mamoru Matsuda
3
,
Yoshiki Shimizu
4
,
Tomotsune Nukada
5
1大阪労災病院眼科
2大阪回生病院眼科
3大阪大学眼科
4府立羽曳野病院眼科
5市立豊中病院眼科
pp.616-617
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210745
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- Abstract 文献概要
緒言 続発性緑内障の中で周辺部角膜と虹彩の癒着を特徴とする疾患にはAxenfeld-Rieger (A-R)症候群1),iridocorneal endothelial (ICE)症候群2),posterior polymorphous dystrophy3),iridoschisis4)などがある。今回,われわれは輪状の周辺部角膜虹彩癒着を呈し,上記の疾患にいずれにも属さないと考えられる症例を経験したので報告する。
症例 症例1:52歳の女性で左眼の充血を主訴として1988年4月近医を受診し,続発性緑内障の診断にて当科を紹介された。既往歴および家族歴には特記すべき事はなかった。初診時の矯正視力は右眼1.0,左眼1.0,眼圧右眼13mmHg,左眼15mmHgであった。右眼には異常は認めなかったが,左眼には角膜周辺部に幅約2mmの輪状の虹彩前癒着を認め,虹彩前癒着の認められる部位の角膜は白く浮腫状を呈していた。瞳孔は12時の方向に軽度変位しており,1時から2時の位置に虹彩表層の欠損を認めた。また prominent anterior displaced Schwalbe's lineは認められず,隅角付近には虹彩前癒着のないclear zoneを認めた(図1)。輪状の虹彩前癒着のため虹彩は前方に牽引され,虹彩と水晶体の間の距離は拡大していた。
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