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特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (4)
学術展示
未熟児網膜症と血液ガス分析(2)
Blood gas analysis and retinopathy of prematurity. Report II
津山 嘉一郎
1
,
津山 弥生
1
,
土屋 清一
1
Kaichiro Tsuyama
1
,
Yayoi Tsuyama
1
,
Seiichi Tsuchiya
1
1東海大学医学部眼科
pp.818-819
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210106
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- Abstract 文献概要
緒言 未熟児網膜症(ROP)の発症や進行の因子として,これまで種々の因子が推定され,種々の解析が試みられてきた.網膜血管に対する酸素の毒性は周知のごとくであるが,近年,臨床的にROPの危険因子として動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇や変動が関連することが示唆されてきている1,2).また動物実験で,二酸化炭素投与による網膜血管増殖性病変が病理組織学的に証明されており3),ROPの発症ないし進行因子として二酸化炭素の網膜血管に及ぼす影響が注目されてきている.我々は第39回日本臨床眼科学会においてPaCO2最高値について検討を加え,厚生省分類3期以上の群では,2期以下の群と比較して有意にPaCO2最高値が高い傾向にあったが,比較的成熟度の高い未熟児に限ってみると,PaCO2最高値とROPとの間に明らかな相関を認めなかったことを発表した.PaCO2値単独では,ROPの危険因子としては不十分でありその他の因子との関連につき多角的な検討が必要であると思われたので,今回は動脈血ガス分析(BGA)の項目(FiO2,pH,PaCO2,PaO2,BE,HCO3-)の最高値,最低値,平均値およびPaO2高値・PaCO2高値の持続期間,酸素投与期間,人工換気期間等につき検討を加えた.
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