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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学術展示
異常頭位を伴う先天性眼振の治療 artifizielle Divergenz von Cüppersについて
Treatment of congenital nystagmus with abnormal head position by artificial divergence of Cueppers
大月 洋
1
,
渡辺 好政
1
,
江木 邦晃
1
,
平松 美佐子
1
,
中山 緑子
1
,
生田 全
1
Hiroshi Ohtsuki
1
,
Yoshimasa Watanabe
1
,
Kuniaki Egi
1
,
Misako Hiramatsu
1
,
Midoriko Nakayama
1
,
Zen Ikuta
1
1岡山大学医学部眼科学教室
pp.658-659
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209442
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- Abstract 文献概要
緒言 artifizielle Divergenzという概念は,1969年Cüppers1,2)が先天性眼振にみられる異常頭位の矯正のひとつとして発表したものである.この方法で治療した2症例について報告する.
症例 症例1:9歳女児,両眼視下,遠見で頭を40°左へ回転させる頭位がみられる.遠見視力は,この頭位で0.4,一方左方視0.2,正面視0.2,単眼視では,固視眼が外転位の頭位をとる.近見では異常頭位(‐),視力は注視方向には関係なく1.0,斜位(‐),斜視(‐).両眼視機能;異常頭位では線条レンズで融像可,近見立体視(Titmus);5/9,2/3.眼振は水平方向で,振巾は左眼の方が大きくPendelとRuckが混在.ENG;両眼視下,遠見では両眼共通の注視方向で著明に眼振が抑制される所見(‐)であるが,あえていえば,右30°付近が該当(図1).一方,単眼視では固視眼が内転位で著しく抑制され,近見ではさらに強い抑制が認められた.遠見よりも近見で著しく眼振が抑制されることから,プリズムで内よせ融像を惹起させれば,遠見でも近見と同様の眼振の抑制が得られ異常頭位も消失すると考え,異常頭位での内転位眼の左眼にプリズムを基底外方に装用させた.
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