新刊紹介
—Harley, R.D—Pediatric Ophthalmology (2nd Ed.)
清水 弘一
1
1群馬大学眼科
pp.705
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208922
- 有料閲覧
- 文献概要
小児眼科学を初めて体系化した名著として高い評価を受けた本書の第一版が刊行されたのは1975年のことであったが,今その新版があらわれた。頁数にして3割近く増加して上下2冊に分れ,表紙も以前の紺色からセピア調のシックな外装になった。執筆者は総計67名で,その大半が現在アメリカで最大といわれる眼科専門病院であるWills Eye Hospitalの関係者である。
本を改訂する場合に,不備な箇所に適当に加筆する部分訂正または「建て増し」と,全巻を書き改める「改築」の二つの方法があるが,著者らはあえて後者の途を選んだ。第一版と比較すると,目次の建てかたにもかなり大きな変化の跡が見られるが,個々の項目の記述内容も相当に変わっている。最初の第1章にしても,初版では文章による記述だけで少々お座なり的な感じの「眼の成長と発達」だったのが,今回は「新生児眼科学」となり,胎児期から周産期に至る各段階での生理的・病的な話題が図・表をたっぷり使って扱われるようになった。初版と同様に,未熟児網膜症は本書では余り大きな扱いを受けていず,ここでの記述も1頁弱しか当てられていないが,文献として植村氏が引用されているのは嬉しい。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.