文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(12)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.1540-1541
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208778
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21,酣韶流眼書十二切紙巻
酣韶流眼科を伝えるものとしては「酣韶流眼書」,「眼薬能制之記」(織豊,慶庵著?,杏雨書屋蔵書目録),「酣韶流眼目秘薬」(慶庵写,富上川文庫)等が知られているが,その眼科は内薬,指薬(煉薬を用う)および洗薬を主として,スル金,アツ金,引き刀,灸法等を用いた,と天正17年の跋文ある「慶庵治眼方」という写本に記されているとの報告もある。「酣韶流眼書十二切紙巻」なる古写本も酣韶流眼科を伝える秘伝書にして,ここに紹介するものである。
この古写本には「酣韶流眼書十二切紙巻」の他,麻嶋流および限科諸流派の秘伝が併記されているが,その麻嶋流は尾州犬山之住人麻嶋若狹守林活,防州山口之住人麻嶋勝右衛門尉清房,丹州之住人麻嶋平左衛門尉吉勝相伝の「麻嶋灌頂小鏡一紙之巻」が記述され,諸流派の秘伝には「眼薬能製之記」,「家伝卯可方」,「煉薬之秘方」「夢想秘伝」,「漢昌流卯可秘方」,「一流指薬」,「秘伝書卯可方」等各1巻ものとして抜萃的に併記されている。
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