文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(3)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.76-77
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208511
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5.極撰流眼目之治方
眼の治療方にはいろいろあるが,江戸時代の眼科諸流派の間では,それぞれが一流一派を誇る秀れてる技倆,得意とする治療方をもっていた。例えば真嶋流においては内障の治療方が優れているとか,あるいは夢想流では外障の治療方が他の流派より勝っていたといった具合である。
ここに掲出した「極撰流眼目之治方」は真嶋流および夢想流両流派の極意を抜萃して一つの流派の秘伝書としてまとめ,極撰流と名づけて相伝されたもので,巻尾の識語には元和二年(1616)卯月吉日,世戸口拾兵衛永祐とあり,世戸口拾兵衛がその門人某氏に相伝されたものと思われる。
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