文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(45)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.1156-1157
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209544
- 有料閲覧
- 文献概要
54.大竹流眼科秘書
甲賀者で知られる滋賀県甲賀群の隣に蒲生という所があるが,本書はこの蒲生の住人,鎌倉某という人が書写相伝したものだろうか,その表紙に『江州日野蒲生郡鋳物師村(現滋賀県蒲生郡蒲生町鋳物師村)鎌倉氏,天保二年辛卯四月十九日写之』とある.
この写本は紙コヨリで綴られ,料紙は和紙19葉全1冊(24.5×17cm)の冊子装で,本文は片仮名漢字混りの和文で書かれている.本書の内容は大竹流眼科の薬物療法を伝えたもので,その初めに丹珠散,大真珠散,龍脳散,明珠散,琉珀散,白雲散,龍丹膏,玉明膏等の処方を挙げている.次いで目薬製法として炉岩石,蓬砂,塩硝,寒水石,石膏,真珠,生脳,代赭石等の薬性ならびに製法を掲げ,続いてこれら薬物を用いた眼病治療について述べている.その記述の要領は以下のごとくである.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.