GROUP DISCUSSION
神経眼科
大庭 紀雄
1
1鹿児島大学
pp.438-439
発行日 1980年3月15日
Published Date 1980/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208073
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臨床眼科学会の際に開催されるグループディスカッションに「神経眼科」はその初期から参加しているが,近年はもつぱら教育講演が企画される。これは数年前に日本神経眼科学会が設立され,この方面に関係する基礎的および臨床的研究の成果は,2〜3日の会期による独立の学会で発表討議されるからである。昭和54年のグループディスカッションもこの慣行にしたがつて,やや境界領域的な話題をとりあげ3名の専門学者に総説的な教育講演をお願いした。
「代謝性神経疾患と眼症状」(東京大学小児科・鈴木義之助教授)。演者は小児神経学,とくに生化学的手法を応用して先天性代謝異常の解明に多くの貢献をしている。この方面の研究の現状について眼症状と関連させながら解説した。先天性代謝異常は1970年頃から急速に知識が増加し,現在も日進月歩の進展をみせている分野である。眼症状を発現する疾患としては代謝異常にもとつく諸臓器への物質の蓄積病(storage disease)がある。生化学的検索がすすむにつれて,蓄積物質の実態だけでなく,欠損酵素が明らかにされた疾患も少なくない。いずれも遺伝子異常によるが,表現型としての臨床症候は,生化学的異常に基礎をもつのであり,従来は臨床的に単一と思われた疾患も生化学的,遺伝的に別個の疾患であると理解が改まつたものも少なくない。
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