Japanese
English
連載 眼科図譜・264
Eisnerの圧迫子付きロートを用いた眼底鋸状縁領域の観察
Observation of peripheral fundus using indentation funnel
竹内 忍
1
,
金上 貞夫
1
Shinobu Takeuchi
1
,
Sadao Kanagami
1
1東京厚生年金病院
1Department of Ophthalmology, Tokyo-Kosei-Nenkin Hospital
pp.1408-1409
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207985
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
眼底の鋸状縁領域の検査方法には,圧迫子と双眼倒像検眼鏡を用いる方法と,圧迫子付ロート(indentationfunnelに三面鏡を入れ,細隙灯顕微鏡を用いる方法がある。圧迫子と双眼倒像検眼鏡を用いる方法は,現在かなり普及し一般化しつつあるが,圧迫子付きロートと細隙灯顕微鏡を用いる検査方法は,拡大された詳細な所見がスリット像で観察されるにもかかわらず,あまり普及していないようである。今回われわれはEisnerの圧迫子付きロートを使用した結果,従来のものの欠点を補うことができ,かなり実用的であると思われたので報告すると共に,いままでシェーマでしかみられなかつた眼底鋸状縁領域の撮影を試みたので供覧する。
従来の圧迫子付きロートがあまり実用化されなかつた理由として,①結膜嚢内への挿入が困難,②角膜とレンズとの間に気泡が入りやすい,③圧迫子の移動が困難,④強膜圧迫の強さが変えられないなどがあげられる。Eisnerの圧迫子付きロートはこれらの欠点を補うため,①眼球,瞼裂の大きさに応じた3種類のロートを揃えている。②気泡の侵入を防ぐため,ロートに鍔をつけてある。③圧迫子の経線方向への移動を可能にするため,ロートと圧迫子とを分離している。④強膜圧迫の強さを変化させるため,3種類の圧迫子を揃えている。以上のような特徴をそなえているので,毛様体扁平部より赤道部付近まで簡単に圧迫できるようになり,同時に圧迫の強弱も得られるようになつた。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.