文庫の窓から
啓迪集(2)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.724-725
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207886
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「啓迪集」にのべられている道三の医学説とは,疾病には外感と内傷とあつて,外感の病因は風,湿であつて,寒,暑,燥,火はその現われである。疾病を受けるものは気血,痰で,特に気,血の2病を重視している。気の寒熱順滞は小便の性状により,血のそれは大便の性状で知る。もし大小便両方に何らの異常がなければ経中脈外の疾病であるとし,気,血,痰の症が久しく続くようならば欝を生じ,6種の欝滞病から100病を惹き起す。
精神障害のような7情の欝および臓腑の気の滞るによつて飲労役不足の証を発し,陰これを受けて臓に入り内傷の病を生ずる。故に治法は専ら病因を知つておいて施行し,風によつて発するものには利水の剤を投与する。用薬の目標は補潟であつて,血,気,痰それぞれに補瀉の主剤を配した(石原明著,「医史学概説」)。
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