Japanese
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神経眼科講習会
視交叉近傍病変の脳血管造影—Ⅰ.正常脳血管写像
Cerebral angiography in the diagnosis of parachiasmal leslons. I.Normal angiograms
玉木 紀彦
1
,
松本 悟
1
Norihiko Tamaki
1
,
Satoshi Matsumoto
1
1神戸大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kobe University School of Medicine
pp.1447-1453
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207753
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緒 言
脳血管造影は視交叉近傍病変の診断には極めて重要である。視交叉近傍病変の局在診断,種類診断に有用であるばかりでなく,腫瘍の大きさ,進展方向,腫瘍と主要血管との解剖学的相関,腫瘍自身のvascularityなど脳神経外科的治療の施行に際し是非必要な情報が得られる。特にトルコ鞍の拡大のいまだない鞍内microadenomaに対しては気脳写やCTでは診断は不可能である。このような超早期下垂体腺腫の診断に拡大脳血管造影が極めて有用であり,最近の下垂体腺腫の治療に大きな貢献をしている13)。
本稿では,1)視交叉近傍の脳血管の解剖と正常血管造影,2)下垂体の血管分布,3)視交叉近傍病変における脳血管造影の診断的価値について論じる。この部位の脳血管は微小なものが多く,部位的に限定されているため,最近では視交叉近傍病変が疑われる場合には,拡大脳血管造影がルーチンに行われる。これにSubtractionが応用され,微細な変化を把握することが行われている。
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