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緒 言
中大脳動脈閉塞症は外傷性,特発性を含めて比較的珍しい疾患とされているが,本症の性格から主として脳外科領域での症例および研究の報告がなされている。中大脳動脈は大脳半球外側面の大部分の皮質と深部の髄質とを栄養している。この閉塞のために昏睡状態を惹起し,中心前回,中心後回の大部分が含まれるために片麻痺および反射知覚脱失,さらに視放線の障害のために反対側の同名半盲が現れるほか優位半球の場合には言語障害が現れる。また場合によつては生命の危機すら招来することがある。本症は一般に片側性の場合が多く報告されている。
今回われわれは本症に一般に見られる症状を示さず,特に視機能障害を呈した両側中大脳動脈閉塞症を経験したので,本症と視機能との関連性についての検討を試みた。
A 53-year-old female was seen by us with acute bilateral visual disturbance as chief com-plaint. We detected concentric visual field defect and dyschromatopsia. Fundus findings were normal. The patient was free of neuro-logical abnormalities and did not manifest motor or sensory disturbances. Through cereb-ral angiography, we confirmed the bilateral occlusion of middle cerebral artery as the cause of the visual disturbances.
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